四十九日間のキセキ
【最終章】『まさかの悲しい事実』
その三日後、それは突然紗弥加が現れてから四十九日目の事だった。

拓海が仕事から帰るとそこに紗弥加の姿はなかった。

突然消えてしまった紗弥加を探すため拓海はあちこちを探したが、拓海はその姿を発見する事は出来ず途方に暮れていた。

その晩拓海はある夢を見ていた。

翌朝早く目覚めた拓海はおぼろげながら夕べ見た夢を思い出したが、夢の中の出来事なのになぜか妙にリアルで不思議と涙があふれていた。

その夢の中に紗弥加が出てくると断片的ながらこんな事を言っていた。

「ありがとう拓海、ごめんなさいねずっといられなくて、それとせっかくプロポーズしてくれたのに応えてあげられなくてごめんなさい。でも最後にどうしても会いたかったの。これでいい思い出が出来たわ、ほんとにありがとう」

「どういう意味だこれは? 一体何が起こったんだ」

その日の晩拓海のもとに一本の電話がかかってきた。

ディスプレイに表示されている番号は知らない番号だったが、拓海はとにかく出てみることにした。

「もしもし?」

「拓海君かね、紗弥加の父だが、良かったまだ番号変わってなかったんだね」

「お義父さん、ご無沙汰しています」

「実は大事な話があって電話したんだ。今度の休みにでもうちに来られるかね」

「分かりました。土曜日は休みなので伺えると思います」
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