四十九日間のキセキ
そして土曜日、拓海は新幹線に乗り紗弥加の実家へと向かった。

新幹線から在来線へと乗り換え、紗弥加の実家の最寄り駅へと向かう拓海。

駅からタクシーへと乗り換え紗弥加の実家へ向かう車中車窓を眺めると結婚の挨拶やそのあと何度か探しに来たきりだとは言え紗弥加の実家に近づくほどに懐かしさが込み上げてくる。

（結婚の挨拶以来数回来ただけだけどなんだか懐かしいな、この田舎の風景が良いんだろうな？）

そんな風に思いつつも紗弥加の実家に着くとチャイムを鳴らし声をかける拓海。

「こんにちは、ご無沙汰しています拓海です」

その声に奥から紗弥加の父親である孝之がやってくると玄関を開けた。

「よく来てくれたね拓海君」

「ご無沙汰しています。お義父さんもおかわり無いようで」

「だと良いんだがね、さあ上がってくれ」

「お邪魔します」

この時の拓海は今頃になっていったい何の用なのかと疑問に思っていた。

その後リビングに通されソファに座るよう促された拓海だが、この時拓海は義理の母である香織の姿がないことに気付いた。

その事を尋ねる拓海。
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