四十九日間のキセキ
その言葉を聞いた拓海は自然と涙があふれていた。
「お義父さん、紗弥加は最後に僕に会いに来ていたんでしょうか?」
「そうかもしれないな」
(これで分かったよ、紗弥加が俺のプロポーズを断った本当の意味が。結婚したくても出来なかったんだな? それとデートをしていた時周りの視線がおかしかったのも分かった。もしかしたら周りの人たちには紗弥加の姿が見えていなかったのかもしれない)
そんな風に思った拓海は悔しさをかみしめるようにぽつりとつぶやいた。
「どうして気付いてあげられなかったんだ。紗弥加も紗弥加だ、どうして言ってくれなかった、言ってくれれば一緒に病気と闘うことだってできたのに」
そんな拓海に対し孝之はそっと紗弥加の考えを告げる。
「あの子言っていました、拓海君に負担をかけたくないと」
「そんなの水くさいじゃないか、婚約までした間柄なんだから気を使わなくていいのに」
するとここで拓海はある事を願い出る。
「すみません、線香あげさせていただいて良いですか?」
「もちろんです、あの子も喜びます」
その後線香をあげる拓海であったが、再び涙が止まらなくなっていた。
「ごめんな、気付いてあげられなくてごめんな」
「何言ってんだ、君が謝る事ないんだよ」
「ごめんな、ごめんな」
その後も拓海はいつまでも謝り続けていた。
「お義父さん、紗弥加は最後に僕に会いに来ていたんでしょうか?」
「そうかもしれないな」
(これで分かったよ、紗弥加が俺のプロポーズを断った本当の意味が。結婚したくても出来なかったんだな? それとデートをしていた時周りの視線がおかしかったのも分かった。もしかしたら周りの人たちには紗弥加の姿が見えていなかったのかもしれない)
そんな風に思った拓海は悔しさをかみしめるようにぽつりとつぶやいた。
「どうして気付いてあげられなかったんだ。紗弥加も紗弥加だ、どうして言ってくれなかった、言ってくれれば一緒に病気と闘うことだってできたのに」
そんな拓海に対し孝之はそっと紗弥加の考えを告げる。
「あの子言っていました、拓海君に負担をかけたくないと」
「そんなの水くさいじゃないか、婚約までした間柄なんだから気を使わなくていいのに」
するとここで拓海はある事を願い出る。
「すみません、線香あげさせていただいて良いですか?」
「もちろんです、あの子も喜びます」
その後線香をあげる拓海であったが、再び涙が止まらなくなっていた。
「ごめんな、気付いてあげられなくてごめんな」
「何言ってんだ、君が謝る事ないんだよ」
「ごめんな、ごめんな」
その後も拓海はいつまでも謝り続けていた。