四十九日間のキセキ
【第四章】『別れ』
静岡の病院へと着いた紗弥加は一度診察を行うこととなった。

「奥山紗弥加さんですね、主治医の坂本と言います。これからよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

「東京の病院からの転院ということですね？乳がんですか」

「あのっなるべく切らない方向でお願いしたいんですけど、もしそれが無理でもできるだけ温存するようにしてもらえたらと思って」

「分かりました。改めて検査したのちどうするか考えてみましょう」

「お願いします」

「検査ですが予約したのち通院でできますが入院して頂いても構いません。どうなさいますか？」

　この時紗弥加は拓海の存在が気になっていた。

「お母さんどうしよう。入院しちゃっていいかな？　拓海が実家にまで探しに来てもしょうがないし、入院しちゃった方が見つかりにくいでしょ？」

「良いんじゃない入院しても」

「ありがとう、じゃあそうするね。先生入院でお願いします」

「何か事情があるようですね、ではその後の治療も手術を行うまでは通院でも可能ですがそれも入院で？」

「はいそれも入院でお願いします。お母さん良いよね」

「いいんじゃない？」

「分かりました。ではそのように手配をしましょう」

その後入院手続きをし病室へと案内されると、病室の窓からは海の見える絶景が待っていた。
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