四十九日間のキセキ
『どういう事なんだ紗弥加、なぜ突然別れるなんて言い出したんだ。俺のことが嫌いになったのか? それとも紗弥加に何か気の障ることでもしたか』

「ごめんなさい拓海。決して拓海のことが嫌いになったわけでも拓海があたしに気の障ることをしたわけでもないの」

『だったらどうして、なぜ別れなければいけないんだ』

「理由は言えないの、でももう一緒に居られないのよ。お願い分かって」

そう言うと電話を切りスマートフォンの電源も切ってしまった。

その為すぐに折り返し電話をかけた拓海であったが紗弥加のスマートフォンに繋がることはなかった。

翌日の拓海は仕事が手につかず、仕事を終えると一目散に紗弥加のマンションに向かったが、そこはすでに引き払った後でありもぬけの殻であった。

「一体紗弥加はどこに行ったんだ。俺に何か落ち度があったのか?」

この日は仕方なく帰るしかなかったが、翌日から紗弥加を探し回る日々が始まった。
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