四十九日間のキセキ
「なにこれ婚約指輪みたい」

「みたいじゃなくてそうだよ!」

この言葉にすべてを悟った紗弥加がどういうことか尋ねると、この後涙が出るほどうれしい言葉を聞くことになる。

「えっもしかしてそういうこと?」

「そうだ紗弥加。お願いだ、俺と結婚してくれるか?」

「えっうそ! あたしなんかでいいの?」

突然の出来事に紗弥加は驚きの表情で尋ねる。

「もちろん。他に誰がいる?」

「ありがとう。よろしくお願いします」

この時の紗弥加は瞳に大粒の涙をたくさん流していた。

「そんな泣くなって」

「だって拓海と結婚できることがうれしいんだもん」

「それより普通過ぎるプロポーズでごめんな。もっとサプライズとか考えたんだけどなんか自分で考えておきながら恥ずかしくなっちゃって」

照れ笑いを浮かべる拓海に嬉しそうに紗弥加は応える。

「ううんそんなの良いの。拓海と結婚できるならそれだけで充分」

「明後日は日曜日だから紗弥加のご両親にあいさつに行こう。そのあと結婚式の予定とかいろいろ決めて行かないとな? とにかく明後日予定を聞いておいてくれないか。もし都合が悪ければ年が明けてからでもいい、でもなるべく早いうちに挨拶に行こう」

「分かった、聞いてみるね」
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