四十九日間のキセキ
【第五章】『元彼との再会』
その後坂本は病室を後にし、しばらくして紗弥加の両親も帰ることとなったが、両親がナースセンターの前を通りかかると一人の看護師に声をかけられた。

「奥山さんお待ちください」

「何ですか？」

看護師の声に振り向き尋ねる孝之。

「坂本先生がお話があるそうなので少しお待ちいただけますか？」

「分かりました」

すると看護師は坂本のもとに内線電話をかけると、電話を切った看護師は孝之たちを相談室に案内する。

「こちらです、付いてきてください」

その声に続き看護師の後に続く二人。そして相談室に着いた二人は中へと入る。

「こちらでお待ちください」

坂本の話とは何だろうと思いながらも看護師に言われるがまま椅子に座って待っていると、しばらくして坂本が部屋に入ってきた。

「すみませんお待たせしてしまって」

「いえ、それよりお話って何でしょう？」

孝之が尋ねると言い辛そうに重い口を開く坂本。

「実は紗弥加さんの病気についてなんですが、ご両親には本当の事をお知らせしたほうがいいと思いまして来ていただいた次第なんです」

「どういう事でしょうそれは？」

疑問の声で尋ねる香織に坂本は静かな声で続ける。
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