四十九日間のキセキ
数日後いよいよ紗弥加の手術が始まった。

この日は両親のほかに隼人にも知らされ共に手術の終了を待つこととなった。

関係者待合室で手術が終わるのを待っていると隼人が心配そうに語りかける。

「おばさん紗弥加大丈夫でしょうか?」

「大丈夫よきっと、とにかく待ちましょう」

「そうですね」

「それより望月君旅館の仕事はいいの? 今跡を継ぐために働きながら勉強しているって聞いたけど」

「心配いりません! 今日は両親に行って許可をもらってきましたから手術が終わるまで待ちます。一緒に待たせてください」

「ほんとにいいの望月君?」

「構いませんよ、一緒に待ちましょう」

その言葉に孝之も隼人に礼を言う。

「娘のためにありがとな望月君、あの子もいい友達をもって幸せ者だ」

「いいえどういたしまして」

その後手術が終わるのを待つ三人だが、ほんの数時間が何十時間にも感じられた。

そしてようやく手術が終わった紗弥加は数日後一般病棟へと戻ってきた。

「こんにちわ紗弥加、気分はどう?」

「お母さん来てくれたのね、大丈夫、気分は悪くないわよ。お父さんも来てくれてありがとう」

「そう、ならよかった」
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