四十九日間のキセキ
【第十章】『現れ始めた副作用』
懐かしい友人と再会して数日が経ったこの日、紗弥加の抗がん剤が別のものに変更されることとなった。

看護師の佐々木が病室にやってくると優しい声で紗弥加に語り掛ける。

「紗弥加ちゃんおはよう。今日から新しい薬を始めるわよ」

「おはようございます佐々木さん。新しい薬って？」

「抗がん剤。別のものに変わるの」

抗がん剤が変わると聞いて不安になる紗弥加。

「薬変わるんですか、それって今までの薬は効いていなかったって事？」

「そうじゃないの、これは最初から予定されていた通りなのよ。紗弥加ちゃん昨日説明しなかったっけ？」

「そうだったね、すっかり忘れていたわ。ごめんなさい佐々木さん」

「別に謝ることないのよ。人間だもの忘れることくらいあるわ」

　その日の午後、紗弥加のもとに両親が見舞いにやってきた。

「来たわよ紗弥加、調子はどう？」

「今日もありがとうお母さん、お父さんも。体調はいつも通りかな？　特に問題ないわ」

「そうそれならよかった」

すると先日の嬉しい出来事を両親に伝える紗弥加。
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