四十九日間のキセキ
「そういえばこの前ね、また懐かしい友達に会ったの」

「そうなの、誰なのそれお母さんの知っている人？」

「お母さん覚えているかな、あたしの親友で葵っていたでしょ？」

「あぁ葵ちゃんね、よく覚えているわよ！　可愛くてとても礼儀正しい子だったわよね」

「そうね、あたしも仲良くしてもらったわ。でもあたし葵に叱られちゃったぁ」

「どういうことそれ、あなた何か失礼なことでも言ったの？」

「そんなんじゃないわよ！」

「だったらどうして叱られたのよ」

小首をかしげ尋ねる香織に静かに続ける紗弥加。

「あたし病気を理由に拓海と別れたでしょ？ここで再会した時隼人にこのことを話したんだけど、それを隼人が葵に話したみたいで再会した時葵に言われてしまったの。どうして拓海と別れたんだって」

「そういう事だったの、でもそれはお母さんも同じ考えよ。分かるでしょ？」

香織が言うと、そこへ孝之の言葉も飛んできた。

「お父さんもだぞ、せっかくいい青年だったのに」

　そこへ香織の声が続く。
< 55 / 125 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop