四十九日間のキセキ
その数日後、この日は隼人が再びやってきた。

「よっ調子はどうだ?」

そこには香織がいたため香織にもあいさつをする隼人。

「おばさんも来ていたんですね、こんにちはおばさん」

「いらっしゃい望月君。来てくれてありがとう」

「隼人来てくれたのね。調子はまあまあかな?」

この時紗弥加は隼人の左隣にたたずむもう一人の人物に気が付いた。

「そこにいるのもしかして朝陽(あさひ)? そうよね、やだ懐かしい」

そこには隼人に連れられやってきた朝陽が心配そうな表情を浮かべていた。

そんな紗弥加の声に応える朝陽。

「そうだな、おばさんお久しぶりです」

「朝陽君も久しぶり」

朝陽へのあいさつを交わし終えると、気を使いその場を後にする香織。

「それじゃあお母さんは席を外すわね」

「すみません気を使わせてしまって」

隼人の声ののち香織が病室を後にすると会話の続きをする朝陽。

「ごめんな、今日は葵は来られないんだ。そんな事より隼人から紗弥加が病気で入院しているって聞いた時には心配したけど、元気そうで安心したよ」

しかしこの時紗弥加は元気そうに装ってはいたものの、本当はかなり辛いのを我慢していた。

そしてそのことに隼人たちも気づいていた。
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