四十九日間のキセキ
「そうだね。でも隼人とやり直すのはあり得ないよ、もうあの頃と違うもの」

「そうかなぁ。あたし隼人は意外とまんざらでもない気がするけど」

そんな葵の言葉であったが、紗弥加はどうしてもその言葉を信じられずにいた。

「まさか。あり得ないわ」

そこへ声をかけてきたのは朝陽であった。

「とにかく今日の所はもう帰ろう、今日は少し長居しすぎたみたいだ」

「そうね、そろそろ帰るわね」

葵も同意の言葉を口にすると、駄々をこね始める紗弥加。

「えぇまだいいじゃない、もう少しいてよ」

「でもずっと俺たちと話していて疲れたんじゃないか? いい加減休まないと体に障るぞ」

「まだ大丈夫よ、だからもう少しいいでしょ」

「ダメだ! 紗弥加の事を想って言っているんだ、分かってくれ」

「分かったわよ、また来てくれるの待っているから」

こうして朝陽たちは病室を後にした。

 その日の晩、朝陽が隼人の携帯に電話をかけた。
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