四十九日間のキセキ
相談室で待っているとしばらくして坂本がやってきた。
「お待たせいたしました」
「いえとんでもありません。それでお話とは何でしょうか?」
「紗弥加さんの事なんですが、今の第四クールが終わったら一度退院しますか?」
退院と聞いて嬉しさのあまり喜びの声を上げる香織であったが、それはすぐに奈落の底へと突き落とされることになる。
「勘違いなさらないでください、これは決して病状がよくなったからではありません。本人にはそのように伝えますが、動ける今のうちに一度退院させてあげようということです」
その言葉に大きなショックを受ける香織。
「どういうことですかそれは、あの子のがんは良くなっているんじゃないんですか?」
「いえ決してそういうわけではありません、抗がん剤の効き目がよくないんですよ」
まさかの事実に香織は動揺してしまった。
「そんな事ってないですよね。先生治してくれるって言ったじゃないですか、あれは嘘だったんですか?」
「いずれにしてもまだ薬はありますからいろいろ試してみましょう」
「よろしくお願いします」
その後香織は外来の待合室にある椅子に座り一人しくしくと泣いていた。
涙が枯れるほど泣き明かした香織はその後自宅に帰ると、今回の坂本の提案を孝之に伝える。
「お待たせいたしました」
「いえとんでもありません。それでお話とは何でしょうか?」
「紗弥加さんの事なんですが、今の第四クールが終わったら一度退院しますか?」
退院と聞いて嬉しさのあまり喜びの声を上げる香織であったが、それはすぐに奈落の底へと突き落とされることになる。
「勘違いなさらないでください、これは決して病状がよくなったからではありません。本人にはそのように伝えますが、動ける今のうちに一度退院させてあげようということです」
その言葉に大きなショックを受ける香織。
「どういうことですかそれは、あの子のがんは良くなっているんじゃないんですか?」
「いえ決してそういうわけではありません、抗がん剤の効き目がよくないんですよ」
まさかの事実に香織は動揺してしまった。
「そんな事ってないですよね。先生治してくれるって言ったじゃないですか、あれは嘘だったんですか?」
「いずれにしてもまだ薬はありますからいろいろ試してみましょう」
「よろしくお願いします」
その後香織は外来の待合室にある椅子に座り一人しくしくと泣いていた。
涙が枯れるほど泣き明かした香織はその後自宅に帰ると、今回の坂本の提案を孝之に伝える。