四十九日間のキセキ
【第十三章】『待望の瞬間』
翌日、何日かぶりに紗弥加のもとに孝之がやってきた。
「聞いたぞ紗弥加、今度退院できるかもしれないんだってな、良かったじゃないか」
「お父さん来てくれたの? ありがとういつも漁で忙しいのに」
紗弥加が嬉しそうに礼を言うと申し訳なさそうに応える孝之。
「良いんだよそんな事、逆にあまり来てやれないことの方が申し訳ないくらいだ」
「いいのにお父さんはそんな事考えなくて。この病室だってわざわざ個室にしてもらって感謝しているのよ」
「そんな事は良いんだ。それより良かったな退院出来て」
「ありがとう。まだ正式に決まったわけじゃないんだけどね」
「大丈夫、きっと退院できるよ」
「そうかな?」
「そうだよきっと。だからそれまで安静にしておくんだぞ! もちろん退院した後もな」
「もちろん分かっているわ」
「ところでいい帽子かぶてるな?」
「これ? 薬の副作用で髪の毛が抜けちゃったのを知った隼人がプレゼントしてくれたの。可愛いよね」
「そうだな? いい柄じゃないか」
「うん。あたし気に入っているんだぁ」
そこへ香織が嬉しそうに声をかける。
「この子ったらすごく喜んじゃって」
「そうかよかったな? 大切にするんだぞ、特に人様から頂いたものはな」
「もちろんよ」
その後も香織を交えた会話は続き、それはこの日の夕方まで続いた。
「聞いたぞ紗弥加、今度退院できるかもしれないんだってな、良かったじゃないか」
「お父さん来てくれたの? ありがとういつも漁で忙しいのに」
紗弥加が嬉しそうに礼を言うと申し訳なさそうに応える孝之。
「良いんだよそんな事、逆にあまり来てやれないことの方が申し訳ないくらいだ」
「いいのにお父さんはそんな事考えなくて。この病室だってわざわざ個室にしてもらって感謝しているのよ」
「そんな事は良いんだ。それより良かったな退院出来て」
「ありがとう。まだ正式に決まったわけじゃないんだけどね」
「大丈夫、きっと退院できるよ」
「そうかな?」
「そうだよきっと。だからそれまで安静にしておくんだぞ! もちろん退院した後もな」
「もちろん分かっているわ」
「ところでいい帽子かぶてるな?」
「これ? 薬の副作用で髪の毛が抜けちゃったのを知った隼人がプレゼントしてくれたの。可愛いよね」
「そうだな? いい柄じゃないか」
「うん。あたし気に入っているんだぁ」
そこへ香織が嬉しそうに声をかける。
「この子ったらすごく喜んじゃって」
「そうかよかったな? 大切にするんだぞ、特に人様から頂いたものはな」
「もちろんよ」
その後も香織を交えた会話は続き、それはこの日の夕方まで続いた。