四十九日間のキセキ
「これから結婚式が控えているのにそんなことできません。ほかに方法はないんですか？」

「そう言われてもすぐにでも治療に入って患部の切除をしなければ命の保証は出来ませんよ」

「構いません、胸が無くなるなんて耐えられませんから」

「それともう一つ伝えておかなければいけないのですが、これから行う抗がん剤治療によって今後妊娠しにくくなるかもしれません」

「そんなの困ります。これから結婚を控えているって言ったじゃないですか」

ここで秋元は二つの方法を指し示す。

「もし乳房が無くなるのが嫌だと言うのであれば乳房の再生手術をするという方法もありますよ。妊娠の件も卵子の凍結保存をしておくということもできます」

「でもそれって費用が結構掛かるんですよね」

「そうですね、それなりにまとまった額は掛かってしまいます」

「そうですよね、治療にお金がかかってしまうと思うので再生手術まで手が回らないと思います」

「分かりました。ではできるだけ残す方向で検討してみましょう。ですがいずれにしても手術はさせてください、できるだけ温存するようにしますので」

「分かりました、仕方ありませんね」

「それで今後のことなんですが治療は通院で十分可能です。通院でも構いませんし入院していただいても構いません。どうなさいますか？」

「入院したほうが安心なので入院させてください」

「分かりました。そのように手配いたしましょう」
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