四十九日間のキセキ
「なんかいつも来るたびにおばさんの事追い出しているみたいでいいのかな?」

「いいんじゃない別に、それより話を戻そうか。さっき隼人は昨日葵たちが来てくれた時に一緒に来てやれなくて悪かったって謝っていたけどそんなの気にしなくていいのよ、人それぞれ事情があるんだから」

「それと紗弥加のお見舞いにこれ買ってきたんだ。後で使ってくれ」

そう言って渡されたのはこの病院で売っているテレビカードであった。

隼人から渡された数枚のテレビカードを受け取る紗弥加。

「いいのにこんなの買ってきてくれなくて」

そう言いつつもこの日もお見舞いの品を持ってきてくれたことに嬉しく思う紗弥加。

「紗弥加この前テレビカードを買わなきゃいけないからテレビを見るのを我慢しているって言っていただろ?」

「だからこれを?」

「そうだ。こういうのをお見舞いの品にするのもどうかと思ったんだが、かえってこういうものの方が実用的かと思ったんでな?」

「ありがとう隼人」

礼を言うとともに隼人の仕事を気遣う言葉を口にする紗弥加。

「ところで今日は旅館忙しくないの?」

「大丈夫だよ気にしなくて。日曜日の昨日のうちにほとんどのお客さんはチェックアウトして帰ったから今日は暇なんだ。全然お客さんがいないってわけでもないけどな?」

「そうなんだね。それならよかった」

隼人は紗弥加の治療状況を尋ねる。
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