四十九日間のキセキ
【第十五章】『かけがえのない仲間達』
二週間後の日曜日。この日は朝陽と葵が再び見舞いにやってきた。

「紗弥加お見舞いに来たよ」

「ありがとう葵。朝陽もありがとう」

二人に礼を言う紗弥加。すると朝陽もまた隼人同様テレビカードを用意していた。

「そうだ紗弥加これ受け取ってくれ」

「どうしたの? テレビカードじゃない」

「隼人に聞いたんだ。紗弥加がテレビカードを買わなきゃいけないからテレビを見るのを控えているって」

「そうなのありがとう。でもあまり使ってないからこの前隼人にもらったのも余っているわよ」

「じゃあいらなかったか?」

「そんな事ないわ、嬉しいしありがたいもの」

「じゃあいいだろ? 貰っておけ」

「そうね。ありがとう頂いておくわ」

こうして数枚のテレビカードを受け取った紗弥加。

すると葵が紗弥加の点滴が終わりそうなことに気が付いた。

「点滴もうすぐ終わるね。この点滴って抗がん剤?」

「そうよ。この点滴が終わったら今回はひとまず終わりかな?」

「どういうこと?」

「抗がん剤の治療は二週間続けて二週間休むっていうサイクルを続けるんだって」

「そうなんだ初めて知った。すると今日が二週間目の最後って事?」

「そう、今第五クールなの」

「じゃあ明日から二週間休むんだね」

「そう。そしてまた二週間後から始まるの」

そうこうするうちに点滴が終了した。
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