ゆとり社長を教育せよ。


そのままベッドから抜け出そうとしたら、後ろからぎゅっと抱きつかれて、さらにこんなことを言われた。


「美也さぁ、なんかすっげやらしー夢みてたでしょ」

「な、なんで知って……!」


社長室で迫られて、何故か流されそうになっていた夢のシーンを思い出し、私はひとり顔を熱くする。

まさか変な寝言でも言ってたんじゃ……


「大丈夫。ヤる前に起きたみたいだから」


クスッと笑った彼の鼻息が、頬にかかってくすぐったい。


「そ、それは何より……」

「でも、ゆうべ我慢しない方がよかった?」

「そんなこと……! っていうか離れなさい! 出かけるんでしょ? 支度しなくちゃ!」


充の甘い声を振り切るようにそう言って、無理やり彼の腕から抜け出した。

危ない危ない……朝から変な気分になるとこだった。

私はバッグから出した化粧ポーチを手に持ち、彼に借りた大き目のルームウエア姿で洗面所へ向かう。

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