ゆとり社長を教育せよ。
「充……一旦離れない?」
「やだ。もう我慢の限界だもん」
「じゃ、じゃあせめてベッドに―――ひぁ!」
かぷ、と耳に噛みつかれて、小さく跳ねあがる私の身体。
や、やばい……。キッチンなのに、こっちもその気になってきてしまう――!
そんなことを考えていると、充の手はすでに私の服の中でもぞもぞ動き始めている。
「こ、こら、本当にやめ、なさい……っ!」
「美也って着痩せするタイプ? 思ったよりおっきいね、胸」
……相変わらず、人の話を聞かないんだから。
でも、もうダメだ。私の負け。
無駄な抵抗はやめよう……
「――――ん、っ」
身体の力を抜いて目を閉じ、充の手の動きだけに意識を集中させると、たちまち私の身体の温度が上がり、熱い吐息がこぼれた。
「……あ。観念した? じゃあ俺も遠慮すんのやめよ」
するすると、スカートの上を滑り降りた手が、ストッキング越しの太腿を撫ではじめる。
胸を包み込んだままのもう一方の手からも絶えず甘い刺激が送られてきて、私はふらつく身体を支えるためにシンクに手をついた。
「これくらいで立ってらんないでどーすんの。……まだこれからなのに」
どうやら耳までも性感帯になってしまったらしい私は、そんなささやき声さえも、身体の奥の方を疼かせる快感に変えてしまう。
まさか、あれだけ見下していた“ゆとりくん”の、思うがままにされちゃうなんてね……
充の秘書になったばかりの私に教えてあげたら、卒倒しそう。