ゆとり社長を教育せよ。
「……もう黙って。美也はただ俺に身を委ねてればいいの」
「でも、黙ってたら緊張でどうにかなりそ――――、んっ」
うるさい私の声は、充からの強めのキスで強制終了させられてしまった。
ずるいなぁもう。自分のキスで私が従順になることを知っててやってるんだ、絶対。
ゆっくり唇が離れて、そのときにはもう甘いため息しかこぼすことができない私に満足そうな笑みを浮かべた充。
彼は指を絡ませるようにして私の手を握ると、一気に私の中に入ってきた。
「――――っ、あ」
……やばい。この時点で天国行けそう……
散々我慢した分長く抱き合ってたいのに、お迎え早すぎるよ……
「み、つる……」
たくさんあなたを感じて、もっと好きになりたいのにな……
優しく揺さぶられながら、快感の狭間にそんなことを思う。
「美也、その顔ダメ。……加減できなくなる」
「……いいよ。しなくて。でも、その代わり……」
動きを止めた彼と見つめ合い、私はこの間言ってあげなかった言葉を、濡れた唇から紡ぎだす。
「……こんなに好きにさせた、責任とってよ」
我ながら、なんて可愛くない台詞。
でも充はきっとそんな私でも、受け入れてくれる。
「了解。どうやって取んのか知らないけど、とりあえずいっぱい愛してあげる」
そう言って私のおでこのに軽くキスを落とした充は、ちゃんと責任を取って、私をたっぷり愛してくれた。
それから一緒にシャワーを浴びて、美也スペシャルハンバーグを彼に振る舞って。
一緒に入ったベッドでもう一度抱き合った後は、充の腕枕で二人より添い、この上ない幸せの中でぐっすり眠った。