調導師 ~眠りし龍の嘆き~
‡〜愛を知る者〜‡
「美南都…」
髪に埋めて囁く声。
こんなのは反則だ。
わけもなく泣きそうになる。
なんて声で囁くのだろう。
どんな顔をして言っているのだろう。
むしろ、こんなに突然こんな事を言い出すなんて…。
信じたい…。
けれど、信じられない…。
欲しい言葉だった。
けれどこんな風に手に入るなんて…。
ゆっくりと半歩前に踏み出す。
振り返り、頭一つ分高い顔を見上げる…。
そこには本当に照れ臭いと書かれたような真っ赤な表情で見つめる顔があった。
「っふふ」
「なっ何で笑うっ」
「だってっ。
すごい必死っ」
「当たり前だろっ」
予想外の表情に、思わず笑ってしまった。
秦は心底心外だと言わんばかりに、ふて腐れて横を向いてしまう。
その横顔がほんのり色付いている。
そんな反応が微笑ましくて…嬉しくて、今度はこちらから思わず胸に飛び込む。
「っ…」
驚いたように思わず抱きとめた秦は、恐る恐る手を回して抱きしめる。
胸ポケットにしまわれた小刀が、秦の気持ちに嘘がないことを教えてくれる。
なんて便利な力なんだろう。
こんなことにも使えるなんて…。
くすぐったくて、気だるい気持ちはそのまま…今度は手を繋いで歩き出す。
もう何一つ隔てるものはないのだから…。
「美南都…」
髪に埋めて囁く声。
こんなのは反則だ。
わけもなく泣きそうになる。
なんて声で囁くのだろう。
どんな顔をして言っているのだろう。
むしろ、こんなに突然こんな事を言い出すなんて…。
信じたい…。
けれど、信じられない…。
欲しい言葉だった。
けれどこんな風に手に入るなんて…。
ゆっくりと半歩前に踏み出す。
振り返り、頭一つ分高い顔を見上げる…。
そこには本当に照れ臭いと書かれたような真っ赤な表情で見つめる顔があった。
「っふふ」
「なっ何で笑うっ」
「だってっ。
すごい必死っ」
「当たり前だろっ」
予想外の表情に、思わず笑ってしまった。
秦は心底心外だと言わんばかりに、ふて腐れて横を向いてしまう。
その横顔がほんのり色付いている。
そんな反応が微笑ましくて…嬉しくて、今度はこちらから思わず胸に飛び込む。
「っ…」
驚いたように思わず抱きとめた秦は、恐る恐る手を回して抱きしめる。
胸ポケットにしまわれた小刀が、秦の気持ちに嘘がないことを教えてくれる。
なんて便利な力なんだろう。
こんなことにも使えるなんて…。
くすぐったくて、気だるい気持ちはそのまま…今度は手を繋いで歩き出す。
もう何一つ隔てるものはないのだから…。