調導師 ~眠りし龍の嘆き~
‡〜救済の光〜‡
嫌だ。
死にたくない。
会いたい。
生きたい。
強い想いだけが残された。
このまま安らかに逝けたらと思うのに…。
想いだけが強烈に膨らんでいく。
《悲しまないで
助ける
約束だから》
聞こえたのは、水薙刀の声…?
少し違うように感じる。
《許して
思い出させてくれた》
これは青龍の声。
《ありがとう》
美しい調べが聞こえる。
とても穏やかで、水の流れを思わせるような凛とした調べ。
意識が掬い上げられていく感覚。
「美南都っ!!」
「美南ちゃんっ!」
「…秦…先生……」
「ッよかった…」
涙を流しながら抱き締める秦。
もれる嗚咽を抑えることもせずに…。
《ありがとう》
ゆっくりと見上げた先には、青い龍が光りの中にたゆたっている。
「青龍…」
《やっと眠ることができる
側に置いて欲しい》
願いと共に、光りが収束し、青い龍の姿も溶け消える。
ゆっくりと降下してきた光りは、一本の刀の形を取った。
《もう二度と分かたれることはない》
支えもなく立つ刀。
龍の装飾が美しい。
微笑んでその姿を見つめる。
陰と陽が一つになった刀は、美しい調べを奏で、それが止むことはない。
その調べは、周りのモノを清め、空気を澄ませていく。
この刀は二度と災厄を呼ぶ事はないだろう。
抱き締める秦の肩に顔を埋めると、背中に手を回して抱き締め返す。
「ごめんね…。
ありがとう」
囁くように告げると、まるで自分の体温を移すように、まだ少し冷たい私の身体を優しく包む。
もう離れない…。
二度と置いては逝かないから…。
心の中で誓いを立て、いつまでも抱き合っていた。
嫌だ。
死にたくない。
会いたい。
生きたい。
強い想いだけが残された。
このまま安らかに逝けたらと思うのに…。
想いだけが強烈に膨らんでいく。
《悲しまないで
助ける
約束だから》
聞こえたのは、水薙刀の声…?
少し違うように感じる。
《許して
思い出させてくれた》
これは青龍の声。
《ありがとう》
美しい調べが聞こえる。
とても穏やかで、水の流れを思わせるような凛とした調べ。
意識が掬い上げられていく感覚。
「美南都っ!!」
「美南ちゃんっ!」
「…秦…先生……」
「ッよかった…」
涙を流しながら抱き締める秦。
もれる嗚咽を抑えることもせずに…。
《ありがとう》
ゆっくりと見上げた先には、青い龍が光りの中にたゆたっている。
「青龍…」
《やっと眠ることができる
側に置いて欲しい》
願いと共に、光りが収束し、青い龍の姿も溶け消える。
ゆっくりと降下してきた光りは、一本の刀の形を取った。
《もう二度と分かたれることはない》
支えもなく立つ刀。
龍の装飾が美しい。
微笑んでその姿を見つめる。
陰と陽が一つになった刀は、美しい調べを奏で、それが止むことはない。
その調べは、周りのモノを清め、空気を澄ませていく。
この刀は二度と災厄を呼ぶ事はないだろう。
抱き締める秦の肩に顔を埋めると、背中に手を回して抱き締め返す。
「ごめんね…。
ありがとう」
囁くように告げると、まるで自分の体温を移すように、まだ少し冷たい私の身体を優しく包む。
もう離れない…。
二度と置いては逝かないから…。
心の中で誓いを立て、いつまでも抱き合っていた。