調導師 ~眠りし龍の嘆き~
第十一章 葬送の詩を
‡〜浄化の時〜‡
ゆっくりと青龍によって浄化された気は、暗雲さえも晴らしていく。
屋敷中に満ちていた気は、清浄すぎる程だ。
地下からの階段を上り、外へ出ると、そこには多くの一族の人間が座り込んでいた。
「どう言うことだ…?」
秦は、少しふらつく私を支えながら、辺りを見回す。
「今まで、龍牙刀の影響で負の気を取り込み過ぎていたの。
青龍が気を浄化した事のよって、本来の気を取り戻した」
「自分達がどんな行いをしてきたのか、思い返しておるんじゃ。
今までが正常な思考ではなかったからな」
「一族は、血で繋がっていたのだ。
だから、私や秦のように血の薄い者は影響を受けずにいられたのだろう」
「そう。
当主に取り憑いていた龍牙刀の波調は、血を通して一族自体に取り憑いていたの」
「なら、龍牙刀の影響が失われた今、正常に戻ったと?」
「ええ。
一族の者達は気づいていなかったの。
自身の意志ではなく、龍牙刀に操られていたことを…」
気づく事などできなかったのだ。
当主がおかしくなっても、おかしいとは思わなかった。
麻痺していたのだ。
それは、長い年月、龍牙刀の犠牲になった人達の怨念。
呪いとも言える力。
調導の力は、その怨念を抑えることができた。
調律していた。
けれど、調導の力が弱まったことで、抑えることができなくなった。
そして、血を血で洗う悲劇を呼んでしまったのだ。
「ありがとう、秦。
もう一人で平気…」
そっと離れて数歩前にでる。
パンパンッ。
まだ頭の整理のつかない人々。
現実に呼び寄せように手を鳴らす。
「私は、夜月美南都。
父の名は藤武。
龍牙刀の力は浄化されました。
一族に起こっていた事。
順を追ってお話します」
こちらに目を向ける人々に、龍牙刀の事。
亡くなってしまった人達の事。
そして、一族の担う役目の事。
全てを話した。
ゆっくりと青龍によって浄化された気は、暗雲さえも晴らしていく。
屋敷中に満ちていた気は、清浄すぎる程だ。
地下からの階段を上り、外へ出ると、そこには多くの一族の人間が座り込んでいた。
「どう言うことだ…?」
秦は、少しふらつく私を支えながら、辺りを見回す。
「今まで、龍牙刀の影響で負の気を取り込み過ぎていたの。
青龍が気を浄化した事のよって、本来の気を取り戻した」
「自分達がどんな行いをしてきたのか、思い返しておるんじゃ。
今までが正常な思考ではなかったからな」
「一族は、血で繋がっていたのだ。
だから、私や秦のように血の薄い者は影響を受けずにいられたのだろう」
「そう。
当主に取り憑いていた龍牙刀の波調は、血を通して一族自体に取り憑いていたの」
「なら、龍牙刀の影響が失われた今、正常に戻ったと?」
「ええ。
一族の者達は気づいていなかったの。
自身の意志ではなく、龍牙刀に操られていたことを…」
気づく事などできなかったのだ。
当主がおかしくなっても、おかしいとは思わなかった。
麻痺していたのだ。
それは、長い年月、龍牙刀の犠牲になった人達の怨念。
呪いとも言える力。
調導の力は、その怨念を抑えることができた。
調律していた。
けれど、調導の力が弱まったことで、抑えることができなくなった。
そして、血を血で洗う悲劇を呼んでしまったのだ。
「ありがとう、秦。
もう一人で平気…」
そっと離れて数歩前にでる。
パンパンッ。
まだ頭の整理のつかない人々。
現実に呼び寄せように手を鳴らす。
「私は、夜月美南都。
父の名は藤武。
龍牙刀の力は浄化されました。
一族に起こっていた事。
順を追ってお話します」
こちらに目を向ける人々に、龍牙刀の事。
亡くなってしまった人達の事。
そして、一族の担う役目の事。
全てを話した。