調導師 ~眠りし龍の嘆き~
‡〜幸せを〜‡
「あっ。
ちょっと待って」
「…?
どうした?」
立ち止まり、時間を確認して辺りを見回す。
「あっ……おとうさんっ。
行きますよ~っ」
「っとうさんっ?!」
慎太郎がちょうど向かいの角を曲がってきた秦に似た色合いの普通の服装で、手を振りながら歩いてくる。
「時間ぴったりですね。
行きましょう」
「ああ。
遊園地なんて初めてだ」
「そうなんですか?
じゃあ、今日はいっぱい遊びましょうね」
「……っおいっ!!」
勝手に話して盛り上がり、歩き出す私と父親に、未だに事情を飲み込めずにいる秦が叫ぶ。
「何してるの?
秦。
置いてっちゃうよ?」
「遅いぞ。
何してる?」
「っ何でとうさんがっ?」
「何でって…。
秦と遊園地に出掛けるって報告したら、行ってみたいって言うから…」
「一緒に行く事になった」
「……聞いてない……」
「あれっ?
おとうさんも言ってなかったですか?」
「ああ。
忘れていたな」
「う~ん。
じゃあ、今言った」
「おいっ……」
「だって、秦。
携帯持ってないんだもん…今時、必須でしょ?」
「何だ秦。
持ってなかったのか」
「持ってないよっ。
ってか、どうしてとうさんが美南都と話しをしてるんだ?」
「メル友だからな」
「うん。
メル友ですもんね」
「……聞いてない……」
「「今言った」でしょ」
「……っ」
目に見えて落ち込んでしまった秦の姿を見て、ちょっとからかい過ぎたかなと思う。
「あっ。
ちょっと待って」
「…?
どうした?」
立ち止まり、時間を確認して辺りを見回す。
「あっ……おとうさんっ。
行きますよ~っ」
「っとうさんっ?!」
慎太郎がちょうど向かいの角を曲がってきた秦に似た色合いの普通の服装で、手を振りながら歩いてくる。
「時間ぴったりですね。
行きましょう」
「ああ。
遊園地なんて初めてだ」
「そうなんですか?
じゃあ、今日はいっぱい遊びましょうね」
「……っおいっ!!」
勝手に話して盛り上がり、歩き出す私と父親に、未だに事情を飲み込めずにいる秦が叫ぶ。
「何してるの?
秦。
置いてっちゃうよ?」
「遅いぞ。
何してる?」
「っ何でとうさんがっ?」
「何でって…。
秦と遊園地に出掛けるって報告したら、行ってみたいって言うから…」
「一緒に行く事になった」
「……聞いてない……」
「あれっ?
おとうさんも言ってなかったですか?」
「ああ。
忘れていたな」
「う~ん。
じゃあ、今言った」
「おいっ……」
「だって、秦。
携帯持ってないんだもん…今時、必須でしょ?」
「何だ秦。
持ってなかったのか」
「持ってないよっ。
ってか、どうしてとうさんが美南都と話しをしてるんだ?」
「メル友だからな」
「うん。
メル友ですもんね」
「……聞いてない……」
「「今言った」でしょ」
「……っ」
目に見えて落ち込んでしまった秦の姿を見て、ちょっとからかい過ぎたかなと思う。