コイアメ、コイトモ

アメカゼ

それはなんていうんだろうか。


風っていうのはなんでも運んでくれる、ということなんだろうか


想いは想いを呼んで、流れるようにこっちへやってくる。


きて欲しい。


きて欲しくない。


嗚呼、俺はどんな顔すればいいのだろうか。


「ん? 美咲。美しく咲くで美咲。ありきたりでしょ?」


「あー確かに。ありきたりだな」


「えっ?! それはないいんじゃない?!」

「悪い悪い」


もう、初対面なんだよ! と頬を膨らませる君はバカで。そんなバカの笑顔に惚れた俺は、大バカ野郎ってことなんだろうか。


「ああ、そうそう」

「なんだよ」


「トンちゃんの呼び方はトンちゃんでいいよね」


「ってもう呼んでんじゃん!」


馬鹿らしく笑うことがこの上なく楽しい今。この時は惚れた……なんとかなんて関係ないんだ。

今が幸せで。今が楽しくて。

それで。

それで。



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