私の彼氏は親友とデキていました


扉の前に立ち尽くし何も言わない私を、
不思議と思ったのか


「おはよ!」

美麗がいつもと変わらない可愛い笑顔で挨拶してきた。


「うん、おはよ」

笑え、笑え、悟られるな。



無理矢理、笑顔をつくろうとするけど私はそんなに器用じゃない


きっと今、変な顔してるんだろうな。

笑うってどんな感じだっけ?


いつもは私から話出すけど、今日はそんな気分にはなれない。


それに、2人の目を見れない。

目が腫れていることがばれてしまうし、
2人の目を見たら、何かが零れてしまいそうだから。


それでも、美麗は敏感で....。

「あい.....なんか目腫れてない?」



極力下を向いていたのに、いとも簡単にばれてしまった。



泣いてた、なんて言えないよ....。


美麗は心配性だから、私が泣いてたって言ったら何があったのか絶対きいてくる。



「寝不足で腫れちゃったのかなー」




なんて、下手な言い訳を並べる。

その瞬間、美麗と目が合う。

透き通った綺麗な瞳の中にいる私。


「そうなの?ちゃんと寝なきゃだめだよ」



そう言って、優しく笑う美麗。




その美麗の笑顔を直視できなくて、視線を道路に移した。



そっからは何も喋らなかった。




その代わり美麗が一人で喋ってる。

私は聞いてるふりしてるだけで、本当は聞いてない。

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