私の彼氏は親友とデキていました



.......けどね、わかってるんだ。



そんな事しても意味ないって。




仕返しなんて、しても意味がない。


自分の気は晴れるだろうし、スッキリすると思う。




でも、真紀は?

された側は?




私と同じ気持ちになってしまう。





苦しい思いをするのは、もう私で最後にしたい。

悲しい思いも、寂しい思いも、もう誰にもさせたくない。





「真紀、私ね辛かったよ。
痛かったよ、心も体も」



私がか細い声でそう言うと、真紀は
眉を下げ罰の悪そうな顔をした。



.......なんだ、ちゃんとわかるんじゃん。



人の痛みとか悲しみとか。





「だからね、もうこんな思いしたくない。それと同時に、こんな思いもう誰にもさせたくない
.....だからね.....」





生暖かい風がほおを撫でていく。

それが、少し気持ちを落ち着かせてくれた。



「......言わないわよ」



弱々しい声で、私が言うであろう言葉を予想してるだろう真紀が言う。




その眼差しは、凄く儚い。
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