私の彼氏は親友とデキていました
息苦しい世界
side玲央
「今日からお母さん入院することになっちゃった」
そう告げられたのは俺がまだ6年の時だった。
もうすぐで、待ち遠しかった冬休みが来る時だった。
辺り一面、銀世界で心が踊っていた時だった。
母さんは、俺の頭を撫でながら、猫みたいに目を細めて笑って言った。
いつものように学校から帰ってきて
飯を食おうと箸を持ったのに。
その箸を危うく落としてしまいそうになった。
いつも明るくて元気だった母さんの急な入院。
少しドシで、よく怪我をして。
その度に病院に行く。
なんてことはよくあったけど、入院なんて初めてで。
ただ、驚いた。
でも対した事じゃないと言っていたし、大きな病気とかでもない。
そう言っていたから
すぐに退院する。
『母さんはまた笑って戻ってくる』
そう信じて疑わなかった。