私の彼氏は親友とデキていました



家には専属の家政婦がつき、不便なことはなかった。



けれど、今まで母さんが作ってくれていたご飯が食卓に並ばない。




並ぶのは、家政婦が作った綺麗な料理。


きっと、母さんよりずっとうまい料理。


のはずなに。食べても美味しいとは思わなかった。


味がしない。
温かくない。



父さんは大手企業の取締役で家にいない日がほとんどだった。





だからを飯を食うのはいつも独り。





まだ、中学生だった俺は甘さを捨てきれなくて寂しいと何度も思った。




早く、母さんに退院して欲しいと。



母さんは病気じゃないと言い張っているけど、もうわかってる。


母さんは病気なんだ。


だったら俺が治してやればいい。

いつしかそう思うようになって
俺は医者を目指し始めた。




医者になるのは簡単なことじゃない。

いい高校に行って医大に入らなきゃいけない。


くる日もくる日も勉強した。





どんどん頭は良くなっていったけれど母さんは入院したまま。


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