私の彼氏は親友とデキていました
そして、その頃から"いつもの"母さんが消えていった。
日に日に痩せていき、顔色も悪くなっていく。
あの、いつもの母さんの笑顔はなかった。
いつしか、見舞いに行くのが怖くなった。
腕が、どんどん細くなっていく母さんを直視できなくて、弱音を吐いてしまいそうになる。
母さんが、いつしか消えてしまうんじゃないか。
病院の母さんの名前のプレートが
ある、あの扉を開けたら母さんが倒れてるんじゃないか。
そう考えてしまって、母さんの顔を見れなかった。
また、明日。
明日行こう。
そうやって、先延ばしにして母さんの見舞いにいく回数はどんどん減っていった。
焦りと不安が俺を襲った。
もっともっと勉強しなきゃいけないと思い、もっと勉強に時間を費やした。
学校ではいつも主席。
担任からは、これなら高校も推薦がくるだろうと言っていた。
3回目の冬が来た時期だった。
そう、その日は酷く寒くて。
そして、世界が音をたてて崩れていった。