私の彼氏は親友とデキていました
手術室の赤いランプが光っている前で、何時間も立って待っていた。
でも、何故か父さんはこなかった。
母さんが苦しい思いしてる時に
父さんは何やってんだよ。
苛立ちを覚えた。
それからまた数時間が経って、ランプが消えた。
やっと手術が終わった。
やっと母さんがかえってくる。
そう思っていた。
でも、手術室から出て来た医者の顔は何故か暗くて。
嫌な予感がした。
医者の元に駆け寄り、必死に母さんの容態を聞いた。
生きてるか、じゃなくて容態を聞いた。
「母さんはどんな感じですか?」
なのにかえってきた言葉は
「申し訳ありません。
最善をつくしましたが......
上城様は.......」
母さんが俺の前で、あの猫みたいに目を細めて笑うことは2度となかった。
涙は、出なかった。