私の彼氏は親友とデキていました


もう、そこからは覚えていない。





ただただ目の前が暗かった。



後から聞いた話、母さんはガンだったらしい。

早期発見だったから、治療すれば充分に治るものだったらしい。


でも、母さんは治療をしなかった。


治療をすれば薬などの副作用で
自分が病気だということがばれてしまうと思い、治療を拒んだ。

医者にも口止めしたと。


そして母さんが治療を拒んだのは、


ーーーーー俺のせい。



俺に自分が病気だと知られてしまえば、心配をかけてしまうと思ったらしい。






自分を憎んだ。

なんで、毎日見舞いに行ってやらなかったんだって。


俺は当たり前に『明日』があると思ってたんだ。


母さんが弱っていっているのは充分わかってたはずなのに。

なんで、なんで一緒に居てやんなかったんだ。



わかってる。わかってる。

........俺が弱かったからだ。




現実に目を向けなかったから。
ずっとそらしていたから。



母さんはたった1人で天国にいってしまった。



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