私の彼氏は親友とデキていました


「玲央、お父さんと2人で行ってきなよ。お父さんとちゃんと話して、
2人でお母さんに会いに行ってあげなよ。お母さんきっと待ってるよ」




ーーー自分の事じゃねぇのに、こんな真剣に考えてくれる。


これが愛衣の優しさなんだろうな。



逃げてばっかじゃ駄目ってことか。




中2から今まで、ずっと目を逸らし続けて逃げてきたんだ。





もう、逃げるのは、


............終わりにしよう。



ーーー行ってみるか、墓参り。


それで、ちゃんと謝ろう。

ありがとうって伝えよう。




父さんとも、話し合ってみるか。

父さんにも謝ろう。


八つ当たりで冷たく当たって。
暴言だって吐いたことあった。


でも、父さんは俺を一切責めなかった。


俺の頭を撫でて、ただ「ごめんな」
と。父さんが全部悪いわけないに謝ってきた。


きっと、父さんも俺が想像できない位苦しかっただろうに。

それでも涙を流さなかった。

唇を噛み締めて、堪えていた。





.......父さんにも、ありがとうって言おう。


そして2人で母さんに会いに行こう。




「ありがとな。父さんと2人で母さんに会いに行ってくる」





俺がそう言うと、愛衣は優しく綺麗に笑った。

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