私の彼氏は親友とデキていました

side愛衣


............よかった。本当に。



玲央が、お母さんに会いに行くと言ってくれてよかった。




これで玲央のお母さんも、もう寂しくなくなるね。



他人の私が、あれこれ言うべきじゃないのは十分理解していたけれど
口が勝手に動いてた。



玲央のお母さんだもの。


きっと凄く優しい人だと思う。

だから玲央を憎んでるわけないし
きっと玲央に、玲央のお父さんに会いたいって思ってると思うんだ。




......私は、気の利いた言葉なんか言えないし、玲央のために特別何かしてあげられるわけじゃない。



だから、こんな事ぐらいしか言ってあげられること出来ないのが
少し、悔しい。


だから、


「玲央、映画行こっ」


「.....映画?突然だな」


「見たいのあったの思い出したの!
ね?行こ!」


「ん」



私は、私なりのやり方で、玲央を笑顔にしてみせる。
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