私の彼氏は親友とデキていました
「むーり」
口角を上げてニヤッと笑う玲央。
その姿があまりにも様になっていて
目を奪われた。
なんなんだ、本当に。
それは私だけではないようで、
「.......かっこいいわ....」
「あの人芸能人かな?」
「お母さん、あそこにかっこいいお兄ちゃんいるよ!」
老若男女問わず、みんな玲央に目を奪われる。
........恐ろしい。
イケメン、恐ろしい。
中には逆ナンしようとしている女の子達がいて。
それを避けるべく、私達はそそくさに移動した。
それからは、お昼を食べたり。
街をブラブラと歩いたり。
...その間はずっと手を繋いでいたから心臓が休まる時は一時たりともなかったけれど。
空が茜色に染まり、少し風が冷たくなってきたこの時間。
丁度近くにあった時計台を見ると
5時になっていて。
「そろそろ帰るか」
という玲央の言葉を合図に私達は
玲央の家に歩みを進めた。
ーーー帰る場所が同じって、なんだかくすぐったい。
同じ時間、同じ行き先、同じ帰る場所。
玲央と近づけた気分だ。
それにまるで、新婚さんのようで。
頬が緩む。
「玲央、今日は楽しかったね!」
私の横で歩く玲央に目線を向けると
「そうだな」
玲央も私の方を向き、笑った。
鮮やかな茜色の夕日がダークブラウンの玲央の髪の毛を引き立てていて
なんだか、いつもより倍綺麗だ。
夕日も、玲央も。