私の彼氏は親友とデキていました
しばらく歩いていると
「.......、ご、な」
聞き取りにくいけれど声が聞こえてくる。
ーーーーこれは紛れもない玲央の声だ。
玲央だ!そう思い声が聞こえてくる方へ歩みを進める。
廊下を歩いて行くと、1つの部屋に辿りついた。
金の大きな扉は開いていて、中をひっそりと覗くと携帯を耳に当てている玲央がいた。
ーーーー電話?
一体誰と?
「......父さん、今まで悪かった」
「あぁ、そうだな。今度母さんの墓参り行こう」
.......お父さんとか。
そっか、よかった。
やりたい事ってこの事だったんだね。
ちゃんと話出来たんだね。
ホッと安堵した。
親子水入らずの時間を邪魔する訳にはいかない。
そっと、今来た道を戻っていく。
「.....う、そでしょ」
ただいま私、目が点。放心状態。
あれから、丁度梅さんに会ってお風呂まで案内してもらった。
お風呂は、それはまぁ素敵だった。
ヒノキ風呂だったのだ。
洋風な家だから、てっきりライオンさんでもいるかと思ってたら
まさかのヒノキ。
感動して、ついつい長風呂してしまった。
で、ヒノキ風呂を満喫してふかふかのタオルで体を拭き着替えようとした。
そして冒頭に至る。