私の彼氏は親友とデキていました
「.......愛衣、だよな?」
少し戸惑っているような玲央の声に答える余裕は私にはない。
.......恥ずかしさからか、自分の不甲斐なさからか涙が溢れてくる。
お泊まりに来たのに着替え忘れるとか。
玲央にこんな格好見られるとか。
ーーーーお嫁に行けないよ。
もう、仕方がないので
「.......れ、お」
ゆっくり後ろを向く。
そこには、やっぱり玲央がいて。
玲央は私を見るなり驚いた顔をし、そして真っ赤になった。
「.......おっ、おま、なんつー格好」
「ごめ、んなさい」
そんな玲央に申し訳なくて、正座をしながら謝る。
「ちょっ、待て。
取り敢えず服着ろ!」
私から目を逸らしながら言う玲央。
ーーーー本当に申し訳ない。
「着替え、持ってくるの忘れたの」
もう、堪えきれなくて涙をポタポタ床にこぼしながら玲央を見つめる。
「は?!忘れた?」
「.....はい」
縮こまる私を見ながら、玲央は
「取り敢えずこれ着てろ。
風邪ひく」
クローゼットの中から白いTシャツを取り出し私に渡してきた。
玲央の優しさに、また涙が溢れる。
「うっ、.....ありが、とう」
素直にそれを受け取り、玲央が後ろを向いている隙にタオルをとり、着替える。
「......玲央、ごめんなさい」
着替え終わり、玲央に謝る。
見苦しい姿を見せた上に、Tシャツまで借りて。
私、ダメダメだ。