私の彼氏は親友とデキていました
「.....そろそろ起きるか」
ようやく顔の火照りも治まってきた頃、玲央が言った。
「そうだね」
のそのそとベットから起き上がり、
時計を見ると7時になっていた。
最初に見た時から結構な時間が経っている。
1人の時より時間が進むのが早い気がするのは何でだろう。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去る。
時間が進むのに早いも遅いもないのに、そう感じるのって少し不思議だ。
それから、2人で梅さんが用意してくれた朝ご飯を食べて、身支度をして
お泊りグッズが入った鞄を持つ。
「お邪魔しました」
たった1日だったけれど、凄く楽しくて幸せな1日だった。
こんなに、ほんわり温かい気持ちになったのは久しぶりかもしれない。
豪華な扉を開けると、生暖かい風が頬を撫でていく。
そして、梅さんに見送られ玲央と歩き出す。
行きと同様、玲央が鞄を持ってくれて私は何も持っていない。
申し訳なくて
「やっぱり私、持つよ」
そう言っても
「女に重いもん持たせる男がどこにいる」
と何とも頼もしい言葉をもらい何も言えなくなってしまった。