私の彼氏は親友とデキていました
「じゃあ気をつけて帰るように」
気づけば、もう放課後になっていた。
今日1日中ぼーっとしていたような気がする。
授業の内容なんて一つも覚えていないし、誰と何を話したのかすら覚えていない。
玲央と、美麗と俊と。
話がしたいな。
いつの間にか、私には3人がかけがえのない大きな存在になっていたことを今日改めて思い知らされた。
3人だけじゃない、香里ちゃんも。
この1年で大切な人が、こんなにできて。
なんだか、凄く嬉しい。
ーーーー早く、みんなに会いたい。
同じ空間にいるのに、目すら会わないなんて悲しいよ。
鞄に荷物を詰め込み、辺りを見渡した。
帰りくらいは。
そう思っていたのに、どこにも美麗と俊の姿が見当たらない。
隣の席の玲央ですら、いない。
「....はぁ」
ため息を尽きながら、教室を出て靴箱に向かう。
ーーーーほんと、みんな何してるの?
靴箱につき、靴を取ろうとした。
でも、
「.....なにこれ?」
靴箱の中に、綺麗に折られた白い紙が入っていた。
その紙を開いてみると
『屋上に来てください。話があります。待ってます』
そう無機質な字で書かれていた。