私の彼氏は親友とデキていました



「さ、入って〜」


ポンっと裕也君に背中を押され、1歩空き教室の中に足を踏み入れた。



ーーーーーーその瞬間。



"パンッ"と音がして、一気に目の前が明るくなる。


「「「「愛衣、お誕生日おめでとう!」」」」



ーーーーーーーーな、に、これ。



あの大きな音の正体はクラッカーで、暗かった空き教室は一気に明るくなって、色とりどりに教室が飾られている。


壁には

ハッピーバースデーの文字が。

机を何個もつなげてあって、その机の上には小さなケーキがのっていて。

そこには

『愛衣、お誕生日おめでとう』

そう書かれていて。



そして、その机を取り囲むように
私の方を見て微笑んでいるのは



美麗と俊と、香里ちゃん。

そして、玲央だった。



ーーーーでも、

「......忘れてた。今日私の誕生日だった....」


すっかり忘れてたけど、今日。

つまり7月15日は私の誕生日。


私でさえ、忘れてたのに。



.......どうしよう。

嬉しすぎるよ。

こんなサプライズ、ズルいよ。


「おめでとう、愛衣」

私の元に来て、笑かけてくれる美麗。


「美麗.....、ありがとうっ。
嬉しいよ、嬉しすぎるよ.....!」


目が熱い。心が熱い。

嬉しくて、嬉しくて、心がいっぱいで、涙が溢れてくる。

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