私の彼氏は親友とデキていました


「愛衣」



私の好きな...大好きな人が漆黒の瞳で私を捉えていた。





「....玲央」

昨日まで、ずっと一緒にいたのに
なぜか懐かしく感じる。


「こっち来い」


そう言い、来いと言っているのに私の腕を掴み歩き出す玲央に苦笑。


....本当は、こういう強引なところも
好きだったりするけど。



玲央は私の腕を掴みながら、空き教室の隣の部屋へと続く扉へ歩いて行く。

そして、その扉を開け中に入って行く。

そこは、資料室だった。


少し埃っぽいから、あまり使われていないのだと思う。



資料室の入ると、私の腕を離し、後ろ。つまり私の方を向いてきた玲央。


ーーーーなんか近くない?


....バタンッと音がした。

玲央が、扉を閉めたのだ。


つまり、ここには私と玲央しかいないということになる。





「愛衣、誕生日おめでとう」


ニコリと私に笑いかける玲央。


「ありがとう」


そんな玲央に私も笑い返す。



「でも、よく私の誕生日知ってたね」



言わなかった、というわけじゃなくて、私も忘れてた誕生日。


玲央が知っているはずがないのに、どうして知っていたんだろう?


「五十嵐に聞いた」


.....俊か。

仲良く、なったのかな?

それはそれで嬉しいけども。

< 456 / 485 >

この作品をシェア

pagetop