私の彼氏は親友とデキていました
「愛衣」
私の好きな...大好きな人が漆黒の瞳で私を捉えていた。
「....玲央」
昨日まで、ずっと一緒にいたのに
なぜか懐かしく感じる。
「こっち来い」
そう言い、来いと言っているのに私の腕を掴み歩き出す玲央に苦笑。
....本当は、こういう強引なところも
好きだったりするけど。
玲央は私の腕を掴みながら、空き教室の隣の部屋へと続く扉へ歩いて行く。
そして、その扉を開け中に入って行く。
そこは、資料室だった。
少し埃っぽいから、あまり使われていないのだと思う。
資料室の入ると、私の腕を離し、後ろ。つまり私の方を向いてきた玲央。
ーーーーなんか近くない?
....バタンッと音がした。
玲央が、扉を閉めたのだ。
つまり、ここには私と玲央しかいないということになる。
「愛衣、誕生日おめでとう」
ニコリと私に笑いかける玲央。
「ありがとう」
そんな玲央に私も笑い返す。
「でも、よく私の誕生日知ってたね」
言わなかった、というわけじゃなくて、私も忘れてた誕生日。
玲央が知っているはずがないのに、どうして知っていたんだろう?
「五十嵐に聞いた」
.....俊か。
仲良く、なったのかな?
それはそれで嬉しいけども。