私の彼氏は親友とデキていました


「愛衣」


そっと、甘い酔いしれそうな声で私を呼ぶ玲央。

そして、ギュッと抱きしめられた。


玲央は片方の手を私の背中に。
もう片方の手を頭に乗せてきた。

私も、それに応えるように玲央の背中に手を回す。



「.....玲央?」


私を抱きしめたまま何も言わない玲央。

どうか、したのかな?


「......なんか、離したくねぇ」


耳元で、甘く呟く玲央。


ーーーーっ。

は、ずかしい。くすぐったい。


玲央の甘い声に耐えきれず、もぞもぞと動くと、そんな私を抑え込むように腕に力を入れてくる玲央。


そのおかげで、余計に玲央と密着するはめになり、心臓は絶えずばくばくと激しい音を立てている。





「れ、玲央....」


「ん?」


「は、離して」


このままじゃ、私の心臓が壊れてしまう。

それに、顔も真っ赤になりすぎて
塾したリンゴになってしまう。


「無理。離してやんねぇ」



私を抱きしめたまま、楽しそうに声を弾ませて言う玲央。


ーーーーこ、こいつ!

私が恥ずかしがってるのを楽しんでるな。


そうわかっても、恥ずかしいものは
恥ずかしい。


......でも、なんかホッとする。


玲央の体温と、香りと、大きな背中。


凄く、ホッとする。

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