愛しい君へ
クリスマスイブ、僕はいつも通り部屋で読書をしながら彼女の現れるのを待っていた。
しかし、何時間待っても彼女はこない。
いつもならば昼ごはんが終わったあと、
検温の前までに来て看護婦さんを困らせているハズなのに、
遂には検温の後にあっても彼女は現れなかった。
心配になった僕は彼女の病室を覗いた。
そこには弱々しく横たわる彼女がいた。
「具合悪かったのか…。」
僕の一言に彼女はうっすらと目をあけた。
「あはは…。ごめん今日は…いけなかった…。」
「いいよ。あんまり遅いから僕の方が待ちきれなくて来ちゃったよ(笑)」
わざと明るくみせようとする美陽に合わせる。
点滴に繋がれている彼女はいつもと違ってとても病人だった。