愛しい君へ






彼女に近づいて隣に置いてある椅子に腰掛けた。



「会いたかったぁ…。つら…かったから……。」

そう言って手を伸ばす美陽。

その手を掴もうか迷って空をさまよう僕の手。

しかし、迷いを読まれたかのように先に美陽が僕の手を掴んだ。

「……うん。もっと早く来ればよかったね。」



安心したように美陽は緩く微笑んで眠った。


僕の心は美陽にいとも簡単に奪われた。







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