愛しい君へ
クリスマス
クリスマスツリーをなぜ見ていたのか?
それをどうしても聞きたかったけれど、でもそれはタブーなんじゃないかと思って聞くのはやめた。
美陽は長く美しい黒髪を結いながらポツリポツリと話始めた。
「外は嫌いじゃないわ。
だってなんでも自由だし、好きなものも手に入る。
でもね、手に入れたって使い道はないのよ、そこなの。
だから私は綺麗なものでも意味が無いから綺麗だなんて言わないの。」
そこで君は大きくため息をついた。
「あなたはなぜここにいるの?」
僕はこの質問には戸惑った。
まるでここに居てはいけないかのような口調であったからだ。