私んちの婚約者
突然、婚約者
「彼ね、天野愁也(アマノシュウヤ)君。
君の婚約者」


突然の父の言葉に、私は耳を疑った。

「こんにゃくが何だって……?」


……今日の夕御飯の話?


「こんやくしゃ。彼と結婚してね」


まるで牛乳買ってきてね、みたいな気軽さで父がのほほんと言った。


「……はあああ!?」


思いっ切り理解不能。


私の反応に、父の後ろにいたイケメンが口を開く。


「……宜しく、高宮梓(タカミヤアズサ)さん。
……チッ」


こ、この“婚約者”、
今思いっ切り舌打ちしたけど!?


私はそれを思いっきり睨みつけて言ってやった。


「……返品可能ですかね。
まだ到着後三分だし」

「クーリングオフとかありませんから」


えぇええー!?


天気も気分も上々だったある日。
それを一気にぶちこわす勢いで、

私、梓は、
とんでもない婚約者、愁也と出逢ったんだ。
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