私んちの婚約者
数時間後に迎えにきた車に飛び乗って、そのまま神前系列のホテルのスイートルームに連れて行かれた。


やがて対面した兄。
蓮也と顔を合わせれば、相変わらず冷徹な瞳で俺を見下していて、ますます同じ血を感じて嫌気が差す。

彼が冷徹に笑う。


「神前の後継者になるということを、自覚して貰おう。仮の王でも、だ。

お前の婚約者でいる限り、高宮梓は幸せにはなれない。


愁也、お前が選べ。

彼女を自分で手放すか、

永遠に失うか」


聞かなければ良かった。

聞かずにいれば、


ただ梓を抱きしめるだけでいられたのに。



答えなんて


もう決まってる。
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