私んちの婚約者
「同じ手を食うかあっ!」

私は近づいてきた頭に、思いっ切り頭突きを食らわせた。

「いてええぇっ!!」

あ、透也が涙目。


「全く、揃いも揃って変態兄弟め。そんなに愁也に嫌がらせをしたいなら、私の屍を越えて行きなさい!!!」

「ち、違うっ。ていうか、それどんな設定だ」

さあな!

どこまでも偉そうな私に、透也は額をさすりながら口を開いた。

「違う。俺は、お前のことが」



「……また、他の男に迫られてる」


透也の言葉をさえぎった、その声に、私の身体が震えた。


反射的に、透也を押しのけて。

その声の持ち主の元へ。




「愁也っ……!!」




愛しい人のその胸に、




ちからいっぱい、抱きついた……!
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