私んちの婚約者
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神前グループ社長就任パーティーにて。
スーツに身を包んで、真っ直ぐ背筋を伸ばす愁也の姿は、やっぱり一際カッコいい。
……無駄に。
「素敵ねぇ」
なんてご令嬢の囁き声が聞こえて。
ダメダメ!!あれは私のなんだからね!
そんじょそこらのお嬢様には手に負えない俺様なのよ!?
そうやって、抱きしめて独り占めしたくて。
今こうして目の前に立つ彼を見れば
……泣きたくなる。
「愁也、大好きだよ」
私の初めての告白に、愁也は茫然として。
それからその顔が、ほのかに赤くなった。
「落とされた……」
かすかに言われた言葉と。
その瞳に。
ぞくり、と甘い痺れを感じる。
今すぐにでも、飛びついてしまいたい。
そのとき。
ざわり、と会場がざわめいて、振り返ると一際重厚な雰囲気の男性が入ってきた。蓮也が隣についている。
「神前会長……」
愁也の呟きを耳にして。私は決意を固める。
「見ていて、愁也。私があなたを取り返してあげるから」
私の言葉に、愁也が目を見開いた。
「何をする気……」
「透也、しっかり捕まえといてよー」
「了解」
私の命令に、透也が愁也を羽交い締めにする。
おお、同じ顔が二つ。
いやいや、そんなこと言ってる場合じゃないな。
「梓!」
愁也の声に振り返らず、私は足早に神前会長を目指す。
私に気づいた蓮也が、驚いた様子で硬直した。
ふん、そこで止まっちゃうなら私の敵じゃないのよ!
「神前会長――」
張り上げた声に、その人が振り返った。
神前グループ社長就任パーティーにて。
スーツに身を包んで、真っ直ぐ背筋を伸ばす愁也の姿は、やっぱり一際カッコいい。
……無駄に。
「素敵ねぇ」
なんてご令嬢の囁き声が聞こえて。
ダメダメ!!あれは私のなんだからね!
そんじょそこらのお嬢様には手に負えない俺様なのよ!?
そうやって、抱きしめて独り占めしたくて。
今こうして目の前に立つ彼を見れば
……泣きたくなる。
「愁也、大好きだよ」
私の初めての告白に、愁也は茫然として。
それからその顔が、ほのかに赤くなった。
「落とされた……」
かすかに言われた言葉と。
その瞳に。
ぞくり、と甘い痺れを感じる。
今すぐにでも、飛びついてしまいたい。
そのとき。
ざわり、と会場がざわめいて、振り返ると一際重厚な雰囲気の男性が入ってきた。蓮也が隣についている。
「神前会長……」
愁也の呟きを耳にして。私は決意を固める。
「見ていて、愁也。私があなたを取り返してあげるから」
私の言葉に、愁也が目を見開いた。
「何をする気……」
「透也、しっかり捕まえといてよー」
「了解」
私の命令に、透也が愁也を羽交い締めにする。
おお、同じ顔が二つ。
いやいや、そんなこと言ってる場合じゃないな。
「梓!」
愁也の声に振り返らず、私は足早に神前会長を目指す。
私に気づいた蓮也が、驚いた様子で硬直した。
ふん、そこで止まっちゃうなら私の敵じゃないのよ!
「神前会長――」
張り上げた声に、その人が振り返った。