私んちの婚約者
***
『あたしがね?ムッサイ警備員のオッサンらに捕まってる間、あんたらは呑気に日がな一日中ベッドでいちゃこらしてたわけ?』
携帯から聞こえる、マキの呆れまくった声。
「あい、ごめんにゃさい……」
謝る私。
目が覚めた時には、窓から見える陽はやや高くなっていて。
時計を見ればーーお昼前。あらら。
『で?ヤリ過ぎで起きられなくてズル休みか!』
「ちっ、違うよ!安心して腰が抜け……」
『留年してしまえぇっ!』
マキ様の捨て台詞と共に、電話は切れた。
あんなこと言ってたって、本当は私のことを心配してくれてたって、わかってるよ、マキ。
”ピロロロン”
お、メール着信。
『呪われろ』
わ、わかってるよっ、マキっ……。
「マキちゃんにも、お礼しなきゃな?」
「マキ様には合コンを2、3件献上したら良いと思われます」
それかカイ兄かな。うん、それならのしつけてあげられるな。
なんて彼女への賄賂の算段をしていると。
「はい、おしまい」
愁也が私の手から携帯を取り上げて、サイドテーブルに載せた。
ん?
近づいてくる唇に、私は悲鳴を上げる。
「も、無理っ……!」
「何が?」
チュ、とキスはこめかみに落とされて。
「やらしー梓。何を期待したの?」
まんまとからかわれたことに気付く。
くぅ……!!なんて憎たらしい!
「そういうことなら、ぜひご期待に応えなきゃならないよな」
「いいえ!!まったくもってお気遣いなくっ!!」
私がぶんぶんと頭を横に振れば、愁也はクスクス笑ってベッドから降りた。
「今日はゆっくり休めよ。俺は」
「仕事?」
ポツリと聞くと、愁也は苦笑して私の頬を撫でた。
きっと私もの凄く、心細いって顔をしてるんだ。
『あたしがね?ムッサイ警備員のオッサンらに捕まってる間、あんたらは呑気に日がな一日中ベッドでいちゃこらしてたわけ?』
携帯から聞こえる、マキの呆れまくった声。
「あい、ごめんにゃさい……」
謝る私。
目が覚めた時には、窓から見える陽はやや高くなっていて。
時計を見ればーーお昼前。あらら。
『で?ヤリ過ぎで起きられなくてズル休みか!』
「ちっ、違うよ!安心して腰が抜け……」
『留年してしまえぇっ!』
マキ様の捨て台詞と共に、電話は切れた。
あんなこと言ってたって、本当は私のことを心配してくれてたって、わかってるよ、マキ。
”ピロロロン”
お、メール着信。
『呪われろ』
わ、わかってるよっ、マキっ……。
「マキちゃんにも、お礼しなきゃな?」
「マキ様には合コンを2、3件献上したら良いと思われます」
それかカイ兄かな。うん、それならのしつけてあげられるな。
なんて彼女への賄賂の算段をしていると。
「はい、おしまい」
愁也が私の手から携帯を取り上げて、サイドテーブルに載せた。
ん?
近づいてくる唇に、私は悲鳴を上げる。
「も、無理っ……!」
「何が?」
チュ、とキスはこめかみに落とされて。
「やらしー梓。何を期待したの?」
まんまとからかわれたことに気付く。
くぅ……!!なんて憎たらしい!
「そういうことなら、ぜひご期待に応えなきゃならないよな」
「いいえ!!まったくもってお気遣いなくっ!!」
私がぶんぶんと頭を横に振れば、愁也はクスクス笑ってベッドから降りた。
「今日はゆっくり休めよ。俺は」
「仕事?」
ポツリと聞くと、愁也は苦笑して私の頬を撫でた。
きっと私もの凄く、心細いって顔をしてるんだ。